企業再生コンサルを依頼する前の整理ポイント
企業再生コンサルのポイント
企業再生コンサルについて相談する前に、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。確定申告で使用する書類などから把握できる内容も多いため、過去に提出した書類を活用するとよいでしょう。
経費の把握
勘定科目をもとに何に、どれだけの経費がかかっているのか、洗い出しておきましょう。削減が可能な経費を発見できるかもしれません。
未払い状況の把握
取引業者ごとに取引総額や未払い総額をまとめておきましょう。金融機関への返済なども含めます。「支払い期間を調整するべきか」「さらに融資が受けられるか」などを検討する際の判断材料となり、企業再生対策の優先順位にも影響します。
財務状況の把握
キャッシュフロー(資金の流入状況)を把握し、現在の状況が続くといつ頃に資金繰りがショートしそうなのかを把握しておきましょう。また、バランスシートのチェックも重要です。記録している企業の経理帳簿や預金だけではなく、貸借対照表で資産と負債の状況も調べるポイントです。現金化できる資産や手形の有無を調べます。有価証券や土地などの資産も確認しておきましょう。
上記のような項目をチェックしているうちに、企業全体の問題点が見えてきます。その際、改善点が見つかったので外部に依頼しなくても対処できそうと思うかもしれません。しかし、現在の状況を企業再生のノウハウを持った第三者が評価することで、見えてくる課題も少なくありません。自社の状況を整理できたら、依頼するか否かにかかわらず相談するとよいでしょう。
組織再編コンサルとは?
組織再編コンサルの解説
企業再生のコンサルでは、組織再編コンサルティングを活用するケースも多く見られます。しかし、あまり聞きなれないという方もいらっしゃるかもしれません。こちらでは、組織再編コンサルティングについて、組織再編の概要と併せて解説いたします。
組織再編とは
企業の組織体制を再編することです。事業の分割や統合などを通して、事業運営や経営の改善、効率化を目指すという内容です。組織再編コンサルティングは、目指す企業像や目標に向けて最適な組織形態を提案し、組織再編の実施をサポートします。
組織再編の手法
組織再編では以下のような手法が用いられます。
・第二会社方式(会社分割)
赤字化している事業や部門を自社へ残し、黒字の事業や部門を新会社へ移管する手法です。状況にもよりますが、赤字状況の改善に対して、組織再編コンサルが多く用いられます。
まず自社の事業を「優良事業」と「不採算事業」に分類します。優良事業は新会社へ譲渡し、不採算事業が残された会社は特別清算で廃業します。全く別の企業に譲渡や売却するわけではないため、優良事業は従来と同様に事業を継続でき、従業員の雇用を守れるのが大きなメリットです。
なお、組織再編コンサルタントによってはM&Aを提案するケースもあります。個別の事業を別会社に移転する際は「事業譲渡」にあたり、会社法上では組織再編に該当しません。
・株式交換
組織体制を変更する際に、親子会社を設立する場合があります。このとき、株式の持株比率を変える必要があり、「株式交換」や「株式移転」などの手法が用いられます。
株式交換は、親会社と子会社で別々に発行されている株式を、親会社がすべて取得または持株比率を高めることで、完全親会社となる手法です。子会社の取締役決定や配当金など、株主として自由にコントロールできるようになります。
株式移転は既存の親会社ではなく、新たに作る会社を親会社とする手法です。新たにできた会社は基本的に持株会社としての存在となり、「ホールディングスカンパニー」と呼ばれます。
企業再生や組織再編はコンサルタントにご相談を!
コンサルタントに企業再生や組織再編などを相談する際は、経費の状況や取引業者との未払い状況などを整理しておきましょう。確定申告に提出する貸借対照表のチェック、キャッシュフローの把握は自社の問題点が見えてきます。企業再生の組織再編では、優良企業と不採算事業を分割する第二会社方式をはじめ、様々な手法を活用することが可能です。事業者の状況や目標などによって、最適な企業再生計画や組織再編手法は異なります。まずは専門家への相談がおすすめです。会社存続に関するお悩みを解決したいとお考えの際は、大永綜合経営事務所までお問い合わせください。